ストリートギャング/オクラホマ州
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・目次
 ・始めに
 ・用語説明
  ・クリップス「連合」について
  ・クリップス主要連合名
  ・「2次団体」と「3次団体」の違い
  ・フーヴァー・クリミナルズ
   ・フーヴァー・クリミナルズのセット
 ・通史
  ・黒人
   ・クリップス到来
   ・増殖するギャングたち
   ・ギャングメンバー数について
  ・ラテン系
  ・21世紀の現状
  ・6大ギャング
  ・オクラホマ州北東部/中央部/南西部
 ・プリズンギャング
  ・白人
  ・ネイティブ系
 ・ギャングリスト
 ・参考文献
 
 
 
 
 
  
・始めに
 本項で取り上げるオクラホマは、北にカンザス州、東にアーカンソー州、南にテキサス州を持ち、全米50州中面積で20位、人口で28位に位置する中堅規模の州である。またテキサス、アーカンソー、ミズーリとともに「米国南中央地帯」に属する州でもある。
 
 約400万人の人口はオクラホマ・シティー63万(都市圏86万)、タルサ40万(同96万)の二大都市に集中しており、その他10万人前後の都市としては、ノーマン、ブロークン・アロー、ロートン、エドモンドなどが存在する。
 その人口構成は白人65パーセント、ラテン系11パーセント、黒人10パーセント、ネイティブ系6パーセントであり、特にネイティブ系は、2010年にはカリフォルニアに次いで全米第2位の人数がいたという。
 
 最大都市オクラホマ・シティーは全米都市中、シカゴ、LA、デトロイト、ニュージャージー州キャムデンに次いで、5番目にギャングに汚染された都市ともいわれている。
 州全体で2010年には77郡中62郡にギャングの存在が報告されており、近年のギャング殺人件数は、2013年18件、14年9件、15年17件、16年17件となっている。ドライブバイは1993年の256件を頂点に、2000年には65件にまで低下したが、そこから再び上昇し、2005年には250件となっている。近年では55件にまで沈静化している。
 
 過去の有名なアウトローとしては、19世紀後半にオクラホマ・アウトローの女王と呼ばれたベル・スター、キャトル・アニー、インディアン・黒人混合だったルーファス・バック・ギャング、スミス・ギャング、そしてジェシー・ジェームズが活動していた。20世紀の人物では「プリティー・ボーイ」・フロイド、ボニー・アンド・クライドなどもオクラホマを拠点に活動していた時期がある。
 
 
 
 
 
 
・用語説明
スレーニョス/ノルテニョス:プリズンギャングのラ・エメ/ヌエストラ・ファミリアに友好的なラテン系ギャングの総称。
フォーク/ピープル・ネーション:シカゴで1978年に結成されたギャング同盟。多人種間の同盟であり、クリップス/ブラッズのようにギャング名は共有していない。
クリップス/ブラッズ:LAで1971、72年に結成された黒人中心のギャング連合。
 
 
・クリップス「連合」について
 ここで少しこの連合(=アライアンス、アンブレラ、カード)というものについて説明すると、まずクリップス自体がギャング連合であるのに加えて、そのクリップス内にも様々な連合がある。例えばクリップス最大のセット(2次団体)であるローリン・60s・ネイバーフッド・クリップスは、
 
 クリップス連合/ネイバーフッド連合/ローリン・0s連合/ローリン・60s
 
である。
 
 「ネイバーフッド」は1979年のローリン・60s対エイト・トレイ・ギャングスターズの抗争を契機に作られたクリップス内連合であり、これのみならず、「ギャングスター」「イーストコースト(サウスLA・イーストサイド)」「ハスラー」などもすべてクリップス内連合の名前である。
 ローリンはピンプ用語、ハイ・ローラー、1950~60年代のロウライダー・クラブの名残りなど様々な由来が考えられるが、ラテン系の「ロコス」のように気ままに名乗るようなものではなく、やはり「ローリン・0s」連合として緩やかながら機能している。
 そして30、40、60、83、90などの数字は基本的に縄張りとするサウスLA・ウエストサイド/イーストサイドの○○番通りのことであり、会費や上納金などを考えると、大体このあたりが団結したギャングとして機能する最大単位と思われる。

 ちなみに「ローリン・0s」はけしてサウスLAに限らず、Snoop Doggで有名なイーストサイド・ローリン・20sやローリン・80s・ウエストコースト・クリップスはロングビーチのギャングである。
 
 ローリン・60sはクリップス最大のセット(2次団体)であると言われている。サウスLAに限っては、いわば「山口組弘道会」のような中核2次団体であって、そのため普通はクリップスなしに「ローリン・60s」だけでも通る。ネイバーフッド・クリップス(NHC)連合およびローリン・0s連合の中核でもある。
 
 1971年のクリップス結成後も内紛が絶えないためにこうなってしまったわけだが、主要な連合を簡単にまとめるとこうなる。

  
・クリップス主要連合名
 
・クリップス(連合)
 -下記ほとんどの団体が「クリップス」なので1次団体ともいえるだろう。
 
 ・ネイバーフッド(デュース、連合)
  ・ローリン・0s(連合)
   ・ローリン・60s
    -実質上のクリップス2次団体である。
    ・アヴェニューズ(実質上の3次団体)
    ・フロントフッド
    ・オーヴァーヒル
    ・ダイム
  ・イーストコースト(連合)
 
 ・ギャングスター(トレイ、連合)
  ・エイト・トレイ・ギャングスターズ
   -1979年からのローリン・60sとの抗争でクリップスが割れた。
 
 ・フーヴァー・クリミナルズ
  -現在は実質上の1次団体。後述。
 
 
 ちなみにブラッズでは
 
・ブラッズ(連合)
 ・パイルズ(連合)
  ・ネイバーフッド・パイル
  ・モブ・パイル
  ・ウエストサイド・パイル
   ・コンプトン・ウエストサイド・パイル
 ・ブリムズ(連合)
  ・ヴァン・ネス・ギャングスターズ
 ・バウンティー・ハンターズ
 
などが有名である。
 「ネイバーフッド連合」や「ローリン・0s連合」はブラッズにもある。
 
   
・「2次団体」と「3次団体」の違い
 LA以外の都市では、地元のクルーがクリップス/ブラッズに転向した場合は単なる2次団体となるが、LAクリップス/ブラッズの2次団体を見かける場合は、たいていがそれらの2次団体の人間が支部を作ったということであり、日本風に言うならば3次団体になる。
 
(例1)
・クリップス
 -24カラット・クリップス(2次団体)
 
(例2)
・クリップス
 -ローリン・60s
  -オクラホマ・ローリン・60s(3次団体)
 
 すでに有力ギャングが多く、それらがクリップス/ブラッズに転向した街の場合は2次団体が多く、そうでない場合は3次団体が多くなるのではないかと思われる。
 
 
 ・フーヴァー・クリミナルズ
 1960年代後半からのサウスLAの有力ギャングであるフーヴァー・グルーヴァーズは、1971年に設立された新興ギャングのクリップスともしばしば衝突していた。
 
 1970年代前半にメンバーの「リトル・チョコレート」がウエストサイド・クリップスのカーティス・「ブッダ」・モローによって殺害されると、両ギャングは全面抗争寸前の状態に陥るも、和平会談によってこれを回避することに成功する。逆に両ギャングは敵対していたフィゲロア・ボーイズに対して共同戦線を張ると、やがてフーヴァーズはクリップスに加入して、フーヴァー・クリップスを名乗り始める。
 「ブッダ」の方は1973年にわずか18歳で殺害されている。
 
 こうしてクリップスの有力セットとして順調に拡大していったフーヴァーズだが、1979年にクリップス創設者レイモンド・ワシントン殺害を疑われてイーストコースト・クリップスと抗争に突入すると、やはり同時期にローリン・60sと抗争し始めたエイト・トレイ・ギャングスターズのギャングスター・クリップス連合に所属して、フーヴァー・クリップ・ギャング(HCG)を名乗ることとなる。
 武闘派の彼らは1980年代を通してブラッズのみならず他のクリップスとも争い続けた結果、1995年にLAではクリップスを脱退するも、その他の地域のセットはクリップスを名乗り続けているという。
 
 フーヴァーズはローリン・60s、ローリン・30sなどと並ぶクリップス屈指の巨大セットであり、シアトルには74・フーヴァーズと112・フーヴァーズ、ポートランドには74・フーヴァーズと107・フーヴァーズが進出している。
 オクラホマで強い勢力を持つのは、1980年代後半から90年代前半にかけて活発に活動していた107・フーヴァーズの派閥である。
 
・フーヴァー・クリミナルズのセット
 43・フーヴァーズ
  -最初期からの支部。現在は消滅か。
 52・フーヴァー・ギャングスター・クリップス
  -別名ヤング・ホッグス。LAフーヴァーズ唯一のクリップス。
 59・フーヴァーズ
  -敵が多く52・フーヴァーズとはよくつるんでいるという。
 74・フーヴァーズ
  -別名ベイ・ベイズ。ロング・ビーチのインセーン・クリップスとフーセーン同盟を組んでいる。
 83・フーヴァーズ
  -別名ラスカルズ。LAフーヴァーズ最大のセット。
 92・フーヴァーズ
  -別名ドゥー・ロウズ。
 94・フーヴァーズ
  -別名ロウ・ダウンズ。92との同盟関係はドゥー・ロウ・ダウンズとして知られる。
 107・フーヴァーズ
  -別名セロス。オクラホマおよびポートランドに進出している。
 112・フーヴァーズ
  -別名レイ・ロウズ。現在は没落して112・ギャングスター・クリップスに吸収されている。
 
 
 
「用語説明」参考文献
クリップス加盟以前のフーヴァー・クリミナルズ
http://www.geocities.ws/jiggy2000_us/1hoovercriminal.html
フーヴァー・クリミナルズ
http://www.rapdict.org/Hoover_Criminals
107・フーヴァーズ
http://www.rapdict.org/107_Hoover_Criminals_Gang
「ローリング」とはどういう意味か
http://www.streetgangs.com/billboard/viewtopic.php?t=4284
「ブッダ」・モロー
http://www.streetgangs.com/billboard/viewtopic.php?t=55238
 
 
 
 
 
・通史
・前史
 残念ながら1980年代以前のオクラホマのストリートギャングについての情報は少ない。
 
 映画化されたスーザン・ヒントンの小説「アウトサイダーズ」は、1960年代中盤のタルサのグリーサーと「ソック」の争いを描いたものであり、グリーサーの凋落が著しい当時のアメリカでも、田舎の少年の間ではまだまだ有力な不良カルチャーだったという事情をうかがい知ることができる。
 
 やや下った1970年代にはラテン系のフアリートスも活動を始めており、他の有力「ヴァリオ/バリオ」が活発に活動を始めたのも、この時期の前後であると推測できる。
 
 
・黒人
・クリップス到来
 オクラホマでは1930年代のダスト・ボウル時代の移民を通して、カリフォルニアのギャングメンバーと親族関係にある者も多かった。
 1980年代には、両親の転居、抗争の過熱、麻薬市場の飽和状態などの理由によってクリップス/ブラッズのメンバーがLAから移住してくると、遅くとも1986年には失業中の地元青少年たちを、大金に高級車やクラックで誘惑し、彼らを組織して新設したギャングへと組み入れて行くことになった。
 1987年にはOG・Dその他がショットガン・クリップスを設立しているという。
 
 ある教会関係者はこの状況を評して、オクラホマ・シティーは「今は小さなロサンゼルスだが、いずれ本物のロサンゼルスになるだろう」と語っている。実際に地元発祥のギャングたちはLAのスタイルを真似始めると、それをより小さな都市へと伝播させていった。

 1987年には大物ヘロイン密売人だったジョニー・リー・サンダースの組織「ザ・キッズ」が崩壊しており、空白をめぐってギャング問題も顕在化していくことになる。
 
 
・増殖するギャングたち
 1991年の時点でオクラホマ麻薬捜査局の報告「オクラホマのクリップスとブラッズの分析」では、75団体に3500名、多く見積もったものでは9000名が推定されている。
 
 クリップス系は、ショットガン・クリップス1800~2000名、ハード・フーヴァー・クリップ・ギャングスターズ1500名、と2ギャングが異様に多く推定されていることをのぞけば、後はローリン・90s200名、エイト・トレイ・ギャングスターズ150~200名、ローリン・20s150~200名、と妥当な数字になっている。
 
 地元勢力系のクリップスと思われるものではサウスイースト・ヴィレッジ・ギャングスターズ150~200名、プリンス・ホール・ヴィランズ150名、24カラット・クリップス100~125名が目立ったところであり、変わったところではアリゾナ州フェニックスのメインストリート・クリップスやウエストサイド・クリップスも勢力を持っていたようである。
 
 ブラッズ系ではイングルウッド・ファミリー・ギャングの600名を最大に、ファイブ・ポイント・オー(5.0)・ブラッズ300名、ヴァン・ネス・ギャングスターズ300名、ライム・ストリート・パイル200~300名、456・パイル150~200名、イーストサイド・パイル・ブラッズ90~100名と続いている。
 また、おそらくは南部系列のユナイテッド・ブラッド・ネーションのストリートでの兵隊役を務めるというショットガン・ブラッズ100~200名、ヴァイス・ローズとブラッズの混合ギャングと思われるヴァイス・ロード・ギャングスター・ブラッズ200名なども存在していたという。
 
 
・数字について
 上記ギャングメンバー数は明確な過大評価であるが、では全く根拠がない数字かというと、けしてそうとは言い切れない。
 
 1980年代後半から1990年代中盤までは全米的なLAギャング・ブームであり、「一応は入ったが数年でやめた」という人間が相当数いると推測されるからである。
 また法執行機関の方でもストリートギャング慣れしていないために、いわゆるハードコア・ギャングメンバーとアソシエイトを悪意なしに混同してしまった可能性も大きい。
 ショットガン・クリップスとフーヴァーズに4桁のメンバーがいたというのは信じられないが、クリップス系の有力団体が200名程度というのはかなり現実的な数字だと思える。
 
 一方で別のソースでは、1991年時点でギャングメンバーは全人種総計2000名、ハードコア・ギャングメンバーは300~400名程度だという。このあたりが妥当なところではないだろうか。後述する2006年の「オクラホマギャング脅威評価(threat assessment)」は、オクラホマの人口規模を考えると、かなり現実的な数字を出しているように思われる。
 
 
・ラテン系
 最も巨大なギャングはサウスサイド・ロコスであり、次に巨大なグランデ・バリオ・セントラーレと抗争を繰り広げている。このサウスサイド・ロコス対グランデ・バリオ・セントラーレの抗争は”Gangland” Crazy Killersでも取り上げられている。
 第三勢力であるフアリートスは230名のメンバーを持って、「トップ・オブ・ザ・タウン」と「ウエストサイド」の2地区を縄張りとしている。2012年にはサウスサイド・ロコス殺害で終身刑を務めていたメンバーが獄中で殺害されている。
 
 
・21世紀の現状
 オクラホマ州捜査局のレポートによると、2000年から2010年にかけて劇的にギャング活動が増加し、さらに2004年から2008年にかけて起こった1159件の殺人のうち、15パーセントに当たる169件が何らかの形でギャングに関係していたという。
 一時はギャングメンバー6000人が存在し、年に265件ものドライブバイがあったが、その後の警察の取り締まりによって、2010年代中盤にはギャングメンバー5300人、ドライブバイ55件、ギャング殺人17件程度にまで沈静化している。
 
・6大ギャング
 オクラホマ・シティーを抱える州中央部では、ラテン系のサウスサイド・ロコス、グランデ・バリオ・セントラーレ、フアリートス/グランデ・バリオ・ロコ/GBLが総計で1500名を超えると推定されるほかに、黒人系の107・フーヴァーズ、ウエストサイド・ローリン・60s、ローリン・90sもそれぞれ300名程度の戦力を維持しており、彼らが6大ギャングとして君臨している。
 2003年からラテン系3大ギャングの関係が険悪化、近年では107・フーヴァーズとショットガン・クリップスも抗争に突入しているという。
 
 2006年の「オクラホマギャング脅威評価(threat assessment)」によると、ギャングメンバー数は以下のようになっている。
 
 サウスサイド・ロコス      512名
 グランデ・バリオ・セントラーレ 505名
 フアリートス          400名
 107・フーヴァーズ        311名
 
  
・オクラホマ州中央部/北東部/南西部
 オクラホマ州中央部では前述のようにフーヴァーズ(クリップス)が強く、107の他にも54、63、57、27などのセットが存在しているほかに、ブラッズやスレーニョス/ノルテニョスなども活動している。
 近年ではシカゴ勢の進出も目立ち、ギャングスター・ディサイプルズはクリップスと、ラテン・キングスはフアリートスと友好的であるという。

 北東部タルサのフーヴァーズはコカインやマリファナをシナロア・カルテルとロス・セタスから買い付けて、タルサ地区で売りさばき、その金を車、賭博、旅行、そして闘犬に費やしていたという。
 ネイバーフッド・クリップスやレッド・モブ・ギャングスターズなどのブラッズと対立しており、2008年の夏にはタルサだけで4件の殺人が起こっている。抗争は2012年の終わりごろにも再燃し、今度は5・トレイ・クリップスも巻き込んで、多数の銃撃事件を起こして数名の死者を出している。
 
 ロートン市を中心とする南西部では、クリップス/ブラッズ、フォーク/ピープル、スレーニョスにバイカーと白人至上主義者を加えて総計4000名が存在するという。2015年には107・フーヴァーズのショット・コーラー(幹部)であるジャッキー・ダンカンが、強盗や銃器所持などで起訴されている。
 
 
 
・プリズンギャング
 オクラホマの刑務所人口は、白人約5割、黒人約3割、ネイティブ系1割と続くが、newsok.comのアンドリュー・ニットルによると、2012年時点では、囚人人口の7.5パーセント程度しかいないラテン系のスレーニョスが最も強力な存在であるという。
 プリズンギャングにとってはいかに刑務所内へ密輸品を持ち込むかが生命線であり、あくまでも2012年の時点では、ストリートと強い繋がりを持つスレーニョスがその点で有利だったためである。
 
・白人
 オクラホマの白人ギャング最大勢力であるユニヴァーサル・アーリアン・ブラザーフッドは、1993年に設立され、本家に当たるカリフォルニアAB及びAB・オブ・テキサスとの関係は不明ながらも、カリフォルニアABに準じた軍隊的規律と組織構造を持っている。
 12名の最高幹部による大評議会によって運営されており、その下に小評議会が続き、実働部隊としてヤード・キャプテン、ソルジャー、そしてプロスペクトがいる。
 
 1990年代にはそのUABから、アイリッシュ・モブ/マフィアが、おそらくは西タルサで分派し、緑色とシャムロックの刺青をシンボルとして活動し始めている。
 
 2015年9月には麻薬取引での問題によって、UABとアイリッシュ・モブの間で大規模な乱闘が勃発、一般囚人も巻き込んでオクラホマ史上最大級となったこの暴動では、UABは2名、アイリッシュ・モブはカイル・ティフィーと他1名が死亡している。このうちティフィーの死は、刑務所運営会社コアシヴィックの看守による暴行が大きいという。
 
 
・ネイティブ系
 州内の人口では数パーセントのネイティブ系だが、オクラホマの刑務所人口では17パーセントを占めるともいわれている。

 おそらくは2000年代前半かそれ以前に、インディアン・ブラザーフッドが設立され、メンバー数は不明ながら州内のネイティブ系最大勢力へと成長した。
 ウォー・チーフなどの役職を置くなどインディアンであることを強調するギャングだが、刑務所内では白人のアーリアン・ブラザーフッドと協力し、ヒスパニックやクリップスと敵対している。
 
 2009年にはウォー・チーフのデニー・フィリップス他数名によって、連続殺人「キャットハウス・マーダー」が起こっているが、どうやらスレーニョス系列のドラッグディーラーをも殺害してしまったようで、これをきっかけに獄中ではインディアン対スレーニョスの数年にわたる抗争が勃発している。
 
 対黒人では、2015年6月にはフーヴァー・クリップスとの間で抗争を起こし、数百人規模の刑務所暴動にまで発展させている。2016年9月にはフーヴァー・クリップスのメンバーを刺している。
 
 2017年には服役中のリーダー、コディ・マクレンドンが、刑務所内から携帯電話で30キロのメス取引を指揮したとして、30年以上の長期刑を宣告されている。
 
  

 
 
・ギャングリスト

・オクラホマ・シティー/州中央部
・ラテン系
 サウスサイド・ロコス/SSL
 グランデ・バリオ・セントラーレ/GBC
 フアリートス/グランデ・バリオ・ロコ/GBL
 ヴァリオ・トルティーヤ・フラッツ 
・黒人
 107・フーヴァーズ
 ウエストサイド・ローリン・60s、
 ローリン・90s
 ショットガン・クリップス

・タルサ/州北東部
 フーヴァー・クリップス
 ネイバーフッド・クリップス
 5デュース・レッド・モブ・ギャングスターズ(・ブラッズ)
 ウエストサイド・クリミナルズ
 セントラル・ヴァレー・ギャングスターズ
 フローレンシア-13

・ロートン/南西部
・クリップス
 107・フーヴァーズ
 ウエストサイド・ローリン・60s、
 ローリン・90s
 メインストリート・マフィア・クリップス
 フォンシル・ギャングスター・クリップス
・ブラッズ
 456・パイル
 アウトロー・30s
 キラー・インセーン・ブラッズ
 901・ブラッズ
・ラテン系
 サウスサイド・ヴァト・ロコス
 サウスサイド・ロコス
 イーストサイド・ヴァリオ・セガンド

・その他
・シカゴ系
 ギャングスター・ディサイプルズ
 ラテン・キングス
 ヴァイス・ローズ

・バイカー
 バンディドス
  -2009年にはショウニーでモンゴルズと乱闘を起こしている。
 モンゴルズ
 アウトローズ
 ローグス

・白人
 ユニヴァーサル・アーリアン・ブラザーフッド
 アイリッシュ・モブ

・ネイティブ系
 インディアン・ブラザーフッド
 レッド・ブラザーフッド
 インディアン・パッシ
 
 
 
 
 
「ストリートギャング/オクラホマ州」参考文献
・「始めに」
オクラホマ州
https://en.wikipedia.org/wiki/Oklahoma
各種統計
https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Oklahoma
米国南中央地帯
https://en.wikipedia.org/wiki/South_Central_United_States
ギャングランド・オクラホマ
http://www.okmag.com/2018/02/28/gangland-oklahoma/
タルサの悪名高い12の犯罪
https://www.tulsaworld.com/scene/twm/notorious-tulsa-crime-stories-from-tulsa-s-past/article_af8f0168-8ce0-5a55-bf5d-3a0dc222259e.html
 
「通史」参考文献
・前史
「アウトサイダーズ」
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Outsiders_(novel)
「1970年代にはフアリートスも活動」230名程度だという
http://www.news9.com/story/18033308/okc-police-expose-violent-juaritos-gang-30-members-charged
・「黒人」
オクラホマ・ギャング・マップ
http://www.therealstreetz.com/2015/07/25/oklahoma-gangs-map/
「ザ・キッズ」
https://newsok.com/article/2277301/kids-gang-inherited-territory
サンダースの後継者クリストファー・ネロは部下から信頼されず、多くの者が去っていった
https://newsok.com/article/2277264/the-kids-used-business-sense-to-market-heroin
「OG・Dその他がショットガン・クリップスを設立」
https://thehoodup.com/board/viewtopic.php?t=68004
・ギャングメンバー数
「オクラホマのクリップスとブラッズの分析」
http://digitalprairie.ok.gov/cdm/ref/collection/stgovpub/id/23270
ハードコア・ギャングメンバーは300~400名程度
https://newsok.com/article/2364088/street-gangs-become-way-of-life-for-2000-city-youths
・21世紀
2004~2008年のギャング殺人

クリックしてGang_Homicides_2004-2008.pdfにアクセス

「オクラホマギャング脅威評価(threat assessment)」

Oklahoma Gang Threat Assessment


・タルサ
タルサで4団体が抗争
https://www.washingtontimes.com/news/2015/jul/11/4-warring-street-gangs-responsible-for-string-of-s/
タルサのフーヴァーズ52名が検挙
https://www.justice.gov/usao-ndok/pr/hoover-crips-street-gang-members-and-associates-charged-drug-conspiracy-and-other
2011年のオペレーション・トリプル・ビームで19名が逮捕。54・フーヴァーズとレッド・モブ・ギャングスターズは対立している
https://www.fox23.com/news/breaking-news/129-gang-members-guns-drugs-off-tulsa-streets/254387464
フーヴァーズと5・トレイ・クリップスのいざこざについて
Recent killing, pair of other shootings, stems from years-long gang feud, police believe
タルサのギャング捜査事情
http://www.tulsaworld.com/news/courts/getting-an-eyeful-spend-a-shift-on-tulsa-streets-with/article_0f037e23-5f94-5b66-9d7f-e4782fba8fb6.html
・南西部
ジャッキー・ダンカン起訴
http://www.normantranscript.com/news/oklahoma-shot-caller-indicted-by-federal-grand-jury/article_54687062-975c-11e4-816d-b32257d9fbe3.html
・「ラテン系」
フアリートスメンバーが刑務所内で殺害
https://newsok.com/article/3684874/jail-confrontation-between-rival-gang-members-may-have-led-to-death-in-oklahoma-prison
・「プリズンギャング」
・「白人」
UABは1993年設立
https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2015/06/10/meth-arson-torture-murder-okla-case-reveals-power-of-aryan-brotherhood-in-and-out-of-prisons/?noredirect=on
アイリッシュ・モブは西タルサで分派
http://www.news9.com/story/31917862/authorities-see-an-increase-in-irish-mob-gang-members
ユニヴァーサル・アーリアン・ブラザーフッド
https://www.adl.org/education/references/hate-symbols/universal-aryan-brotherhood
オクラホマのアイリッシュ・マフィア
https://www.narcononarrowhead.org/blog/drug-gang-oklahoma-irish-mob.html
刑務所内ではスレーニョスが最も強力。ネイティブ系対ヒスパニックについても
https://newsok.com/article/3711220/sureno-gang-is-most-powerful-in-oklahoma-prisons-intelligence-officer-says
UAB対アイリッシュ・モブの刑務所暴動の詳細。殺害された4人のプロフィールも
Documents and video detail deadly gang fight at private Cushing prison; facility responded to riot by destroying records
ティフィーは死の前に看守に殴打されていた
https://www.thedailybeast.com/americas-biggest-private-prison-company-let-inmates-kill-each-other-lawsuit-claims
・ネイティブ系
2013年に出されたネイティブ系ギャングの概観。インディアン・ブラザーフッドがABと協力、

クリックしてNAInvolveinGangs-Trends.pdfにアクセス

現在ネイティブ系は約32万人が存在している。
https://suburbanstats.org/race/oklahoma/how-many-american-indian-people-live-in-oklahoma
コディ・マクレンドン
http://www.tahlequahdailypress.com/news/local-gang-leader-jailed-for-drug-trafficking/article_9e5df998-c33b-5a18-b206-5288b49f4baf.html
ネイティブ系対ヒスパニック
http://www.indiancountrynews.com/index.php/crimejusticecourts-a-lawsuits-sections-menu-109/9965-two-year-hispanic-and-native-gang-battle-forces-oklahoma-prison-lockdown
インディアン・ブラザーフッド対クリップス
http://www.reddirtreport.com/red-dirt-news/odoc-prison-gang-war-tensions-rising
IBH対フーヴァー・クリップス
https://www.tulsaworld.com/news/crimewatch/fatal-prison-fight-among-many-gang-related-incidents-at-privately/article_9d6ce6d1-8303-5f30-a98a-0bee090bfc40.html
ウォー・チーフのデニー・フィリップス
https://newsok.com/article/5498475/jury-selection-begins-in-the-infamous-cathouse-murder-case
インディアン・ブラザーフッドは2006年には存在したようである。

Oklahoma Gang Threat Assessment


インディアン・ブラザーフッドとその刺青についても少し触れている

クリックしてQuickGuidetoGangs.pdfにアクセス

  
・「ギャングリスト」
2011年のギャング脅威評価
https://www.fbi.gov/stats-services/publications/2011-national-gang-threat-assessment
地域別のギャング
https://www.ogia.us/gangs-by-region/
ローグスが有力クラブとして挙げられている
http://kgou.org/post/authorities-dont-expect-biker-gang-violence-spill-oklahoma