ストリートギャング・ワシントン州/シアトル

・概要
・ワシントン州/シアトル
 ・簡易年表
 ・黒人ギャング
  ・中央地区対サウスエンド
  ・ギャング一覧表
  ・ブラッズ
   ・ヴァレー・フッド・パイル
   ・ウエストサイド・ストリート・モブ
  ・クリップス
   ・74・フーヴァー・クリミナルズ
  ・ギャングスター・ディサイプルズ系列
   ・イースト・ユニオン・ストリート・ハスラーズ
 ・アジア・アイランダーズ系ギャング
  ・サモア人ギャング
  ・フィリピン人ギャング
  ・東南アジア系ギャング
 ・ラテン系ギャング
  ・サレーニョス
  ・ノルテニョス
 ・その他
 
 
 
 
・概要
 本文はワシントン州及びシアトルのストリートギャングについて人種別に述べたものである。

 黒人がアメリカのストリートギャング界の表舞台に出てきたのは20世紀後半になってからのことだが、それにもかかわらず彼らは現代ギャング文化において最重要の存在である。

 シアトルの黒人はLAのギャング同盟であるクリップスとブラッズ、そしてシカゴのギャングスター・ディサイプルズに三分されているが、しかしシアトルにおいては地域対立の方が根深く、例えば当地のパイル対フーヴァーズはその文脈で理解されるべきである。
 
 
 次のアジア・アイランダーズ系は、西海岸ではフィリピン系などが古顔の存在である。
 カンボジア、ラオス、ベトナム、サモア、トンガなどは一般的に黒人と特に親和的とは考えられてはいない民族ではあるが、クリップスとそれを真似たブラッズが比較的簡単に加入できること、1980年代の両ギャングの勢い、そしてロングビーチのイーストサイド・ロンゴスなどの古株ヒスパニック・ギャングが新参のアジア人を攻撃してきたことなどから、自衛のためにクリップス/ブラッズに加入するか、もしくは自分たちでギャングを設立し両ギャングの系列に位置づけることが多い。
 彼らもやはりクリップス/ブラッズ全体よりも個々のセット/サブセットの利害の方を重要視している。

 ただしフィリピン系はラテン系と比較的親しく、上記のパターンは当てはまらない。
 そしていわゆるチャイニーズ・マフィアはストリートギャングとは隔絶した存在であるので本文では扱わない。
 
 
 最後のラテン系は長い歴史と豊かな文化的伝統を持ち、カリフォルニアでは最大勢力ではあるが、ワシントン州ではあまり強くない。一般的にラテン系ギャングは自民族以外への求心力に欠ける傾向があるからだろう。

 国境を超えたカナダのヴァンクーヴァーについては前に書いたので興味のある人がいたら参考にしてほしい。
 
  
  

 
・ワシントン州
 米国本土の最西端に位置し700万人以上の人口を抱えるワシントン州の犯罪組織は、国境の北側にも支部を持つヘルズ・エンジェルズ、正式なコーサ・ノストラの一員ではないもののストリップクラブの経営で有名だったコラクルチオ一家などが存在してきた。
 中国系、ロシア系などの犯罪組織も活動しているようである。

 また北方に国境を越えたところにあるカナダのブリティッシュ・コロンビアは良質のマリワナ産地として知られ、メキシコ産より高価な「BC・バド」の密輸は、シアトル市外に基盤を持つ中堅麻薬密輸業者達を潤してきた。

・シアトル
 ワシントン州キング郡の郡都であるシアトル市は2017年現在市域70万人、タコマを含んだ都市圏では300万人の人口を持ち、その人口の内訳は6割を超える白人に対し、アジア系14パーセント、黒人・ヒスパニックともに7パーセント前後である。

 ウェブサイト「Northwest Gangs」の管理人であるBradによると、キング郡には125を超えるギャングと1000人以上のギャングメンバーが存在しており、往々にして人種ごとにまとまっているという。
 一方元フォルサム州刑務所の刑務官で北西部のギャングについてのエキスパートであるガブリエル・モラレス(Gabriel Morales)は140のギャングと10000人程度のメンバーが存在すると推測している。
(筆者の私見ではBradが正しい。数名しかいないと推定されるギャングが珍しくないからだ。しかしこれはモラレス自身が指摘していることでもあるので、モラレスの見解は彼に限らず法執行機関に近い人間のやりがちな「ギャングの過大評価」なのだろう)。
 
 ストリートギャングは18000人の州刑務所人口の約18パーセントを占め、所内での43パーセントの暴力事件に関わっている。また通常の麻薬犯罪のほかに闘犬をしのぎとするギャングも存在し、一試合につき最大で5000ドルを稼いでいるという。
 
 
・簡易年表
1980年サレーニョス13が到着し、既に存在していたノルテニョスと争い始める。
1981年フィリピン系のテュリサンズが労働運動指導者の2人を殺害する。
1982年東南アジアからのボート・ピープルが増加。
1983年トライアッド(三合会)関係者が13人を殺害したWah Mee Massacreが発生。
1984年ブラッズ/クリップスの巨大セットが相次いで支部を設立。
    BGDも同時期に到着している。
1985年タコマでヒルトップ・クリップスが設立される。
1991年ソマリア内戦勃発。難民の一部はワシントン州に亡命。
1993年シアトルの殺人件数が史上最高の73件を記録。
   プリズンギャングのアーリアン・ファミリーが結成される。
1997年MS-13が現れ始める。
1998年中央地区のBGDとブラッズがクリップスと休戦する。
   サウスエンドのDWC(GD)はこれを不服としてBGDから離脱してサウスエンド同盟を結成。地域対立が先鋭化する。
   タコマでロックド・アウト・クリップスがトラン・ダイの虐殺を起こす。
2000年ノルテニョ・ビッグ・ドッグス・14が結成される。
2002年ヴァレー・フッド・パイルとBGDの離脱者がロウ・プロファイルを結成
2005年(クローヴァー)デール・ブロックが結成。
2006年DWCがWSSMと麻薬がらみで抗争。WSSMは中央地区側に助力を求める。
 
 
 
 
・黒人ギャング
 シアトルはブラッズ/クリップスの1978年前後からの大拡張の波に乗ったカリフォルニア州外の最初の都市の一つである。

 1980年代初頭からクリップスが地元のクルーを取り込み南西部で活動してきたが、その後はブラッズが中央地区で追い上げてくる。
 
 しかし両ギャングは「消耗戦」とも称される警察の徹底捜査と長期刑の宣告によって勢力を弱体化させられ、さらにはカリフォルニアのギャングの強い影響力とその熾烈な対立がシアトルに持ち込まれるのを地元の一部クルーが嫌ったこともあって、その後は1980年代中盤から登場してきた第3勢力のギャングスター・ディサイプルズ(GD)に転向するものが増加してきた。

 教訓的な指導書である「智慧(Knowledge)」を持つGDはシアトルの青少年を魅了し瞬く間に両ギャングに匹敵するほど巨大化、系列ではイースト・ユニオン・ストリート・ハスラーズなどが勢力を伸ばしてきた。
  
  
・中央地区対サウスエンド
 シアトルのギャング地図はパイルズとGDの強い中央地区(the central district)とフーヴァーズとGDの強いサウスエンドに二分されており、二地域は30年以上にわたって対立している。
 
 中でも中央地区は1960年代中盤から住民の四分の三が黒人である黒人ゲットーとしてシアトルの他地域から隔絶した世界であった。地区は1980年代にクラック禍に襲われ、同時にギャングもはびこり始めることとなる。
 両勢力はレイニアー・アンド・23rdアヴェニューのバーガーキングを挟んでにらみ合い、ジェントリフィケーションを受けて郊外に移住した者でも、かつてのフッドにわざわざ戻ってきてギャングバンギングを続けるほどだという。
 
  
・ギャング一覧表
中央地区
ヴァレー・フッド・パイル(マディソン・ヴァレー)
イースト・ユニオン・ストリート・ハスラーズ(21st・アンド・ユニオン、GD)
デュース・8(ジャクソン・ストリート、GD)
チェリー・ブロック(サンタナ・ブロック・クリップスからGDもしくはパイルへ)
ロウ・プロファイル

サウスエンド
74・フーヴァー・クリミナルズ
ダウン・ウィット・ザ・クルー(GD)
デール・ブロック(クローヴァーデールストリート、フーヴァーズ)

西シアトル
ウエストサイド・ストリート・モブ(デルリッジ、ブラッズ)
 
 
 中央地区対サウスエンドの地域対立は高校バスケットボールに由来すると言われるが、ギャング間の垣根を超えるほど強く、同地区内のブラッズ・クリップス・GDは特に問題のない限り友好的にしている。

 また様々なギャングがジェントリフィケーションによって散らばり、郊外のギャング空白地帯にも進出しているようである。
 
 
 
 
・ブラッズ
 シアトル最初期のブラッズは1980年代初期から組織され始めており、イエスラー・テラス・ブラッズが結成されている。
 
 現在まで続く有力セットの走りはエルム・ストリート・パイルとライム・フッド・パイルであり、エルム・ストリートはサウスエンドに1986年に到来したが、すでにそこにはクリップスが根を張っていたため、中央地区に安住の地を求めることとなった。

 後にエルム・ストリートはシアトル独自色の強いヴァレー・フッド・パイルを生み出し、ライム・フッドはピンピング(Pimping)が盛んだった北シアトルレイク・シティ地区に目をつけ、このギャング空白地帯にレイク・ビティ・アヴェニュー・パイルを新設した。

 その後ライム・フッドと抗争していたサンタナ・ブロック・コンプトン・クリップスもレイク・シティ支部を新設したが、後に追い出されている。
  
  
 2000年代にサウスエンドのギャングたちに対抗するための中央地区のギャングたちの同盟から離脱したヴァレー・フッド・パイルは、他のギャングから反乱者とみなされ、2013年にイースト・ユニオン・ストリート・ハスラーズにメンバー2人を銃撃されている。
 
 
・ウエストサイド・ストリート・モブ(WSSM)
 西シアトルを根拠地として、2000年代初頭から勢力を伸ばしてきた新顔のギャングである。
 LAのバウンティ・ハンターズ・ブラッズとも関係の深い彼らは、麻薬よりリスクの低い商売として管理売春に精力的に手を伸ばし、売春で悪名高いノーザン・オーロラ・アヴェニューで活動している。

 2009年には「キャッシュ・マニー」デショウン・クラークが関連組織のクライム・ファミリー・Gz(クライム・ファム)のメンバーと共に逮捕されているほか、2015年には未成年を州外にまで派遣して売春を強要したとしてデズモンド・マナゴが10年の判決を受けている。
 
 
   
 
・クリップス

・74・フーヴァー・クリミナルズ
 シアトル最大のギャングであるフーヴァーズは、約200名のメンバーを抱えており、サウスセントラルから移住してきたOG・P-ナットによって1985年に結成された。
 直後の1987年にはOG・ヴァンプなどを含む92・フーヴァーズの9名もLAより移住し3つのクラックハウスを運営している。

 2007年時点で名前を知られているサブセットにはラットパック、シゼロ、ロックス、トレインギャング、スプーンズ、ナッツ、ボーンズ、オセロ&レイニアー、デール・ブロック、17th・マーダ・ブロック、ハイウェイ、ホリーなどがある。
 
 
 2008年フーヴァーズはヴァレー・フッド・パイルとつながりのあったデュース・8の15歳の少年を殺害し、中央地区対サウスエンドの恒常的な抗争が再燃する。
 結果としてフーヴァーズは中央地区のヴァレー・フッド・パイル、デュース・8、イースト・ユニオン・ストリート・ハスラーズたちにに狙われることとなった。

 2012年OG・P-ナットがブラッズのアソシエイト「ラッキー・ブラッド」に銃撃される。
 しかし彼は暗殺者を撃ち返し、2人は共に搬送先のハーバーヴュー・メディカル・センターで息絶えた。

 2013年にはフーヴァーズ内の最大クリックであるラット・パック・クリックのOG・リッチー・ラットが自宅近くで銃殺され、さらに3週間後には1987年にLAより移住してクラック取引に携わり、1988年より約20年間服役していたOG・ヴァンプが車中で寝ていたところを襲われて殺されている。
 ヴァンプの殺害現場はリッチー・ラットとほぼ同じ場所であり、彼はリッチー・ラットが死んだその日からその追悼現場(street memorial)の近くに寝泊まりしていたという。

 フーヴァーズ内には若手メンバーと長期刑を終えて出所した古株メンバーとの間に世代間闘争があると見られており、シアトルのギャング事情に詳しいガブリエル・モラレスはそのことが上記の殺害につながった可能性もあると考えている。
 
 
 そのほかに、シアトル南方に位置し人口20万を超えるタコマでは、ダイアモンドとマローンのボイド兄弟によって結成された悪名高いヒルトップ・クリップス(HTC)、カンボジア系のロックド・アウト・クリップスが存在している。
 
 
 
 
・ギャングスター・ディサイプルズ系列
 GDはシカゴ最大のストリートギャングであり、1989年まではブラック・ギャングスター・ディサイプルズ(BGD)であったが、多人種への開放政策のために同年「ブラック」が落とされた。
 シアトルのGDはシカゴとのつながりは弱く、1987年にシカゴからの移住者「ビッグ・アル」アレン・マッゲーリーが設立したと言われているものの詳細は不明である。
 中央地区は旧名のBGD、サウスエンドはGDを名乗っている。
 
 
・イースト・ユニオン・ストリート・ハスラーズ
 シアトル中央地区の23rd・アンド・ユニオンを根拠地とするギャングである。

 地区出身のケニアット・エーメン-アッラー(Kenyatto Amen-Allah)によると、EUS・ハスラーズはLAから移住してくるギャングからフッドを守るためにコミュニティ・グループ的な存在として設立され、さらにハスリングとはただ単に麻薬を売ることではなく、生きていくための創造的な方法の模索であるという。

 ケニヤットはラッパームーアフィアス(Moorpheus)としても活動しておりIce Cold Modeの名義で1990年代にギャング賛歌”East Union Street Hustlers”を発表し、ローカルラジオKEXP 90.3 fmのチャートで18週にわたってナンバーワンヒットになっている。
 またシアトル出身のSir Mix a Lotの「Posse on Broadway」もこの地区についての曲である。
 
 
・ダウン・ウィット・ザ・クルー(DWC、DWTC)
 OG・ブリーズによって1985年にB・ボーイ・クルーとして結成されたシアトル最古かつ最大のギャングスター・ディサイプルズ関連勢力であり、サウスエンドで44・ホリー・フーヴァー・クリップスと縄張り争いをしている。

・クライム・ファミリー・Gz
 GDのレネゲード・セット
 
 
 シアトル市外では、タコマとの中間にあるフェデラル・ウェイ市では74・フーヴァーズ、ファミリー・マフィア・クリップス、サモア系のウエストサイド・マフィア・ブラッド・ギャング、キング・アンダーグラウンド・サレーニョス、サウスサイド・プレイボーイズ、スレーニョ・キング・ロコーテス、サンズ・オブ・サモアなどが活動している。
 
 
 
・参考文献
「ワシントン州」参考文献
ワシントン・ギャング・ガイド。このトピックについて最もよくまとまったものと思われる
https://info.publicintelligence.net/WashingtonGangGuide.pdf
シアトル・ギャング・ヒストリー(ダウンロードにはログインが必要)
http://nwgangs.proboards.com/thread/616/seattle-gang-history-timeline-file
レーダーをかいくぐるシアトル・ギャング。Bradによるギャングメンバー数の推定あり
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:TBfR9bchmPMJ:www.seattlespectator.com/2012/11/28/a-seattle-story-gangs-dance-across-territory-lines-under-the-radar/+&cd=7&hl=en&ct=clnk&gl=jp
ストリートギャングと麻薬密輸
http://www.mfiles.org/making-a-difference/enforcement
ギャングの歴史
http://www.criminaljusticesolutionsllc.com/gang-history.html
フーヴァーズ対デュース・8、そしてシアトルギャングの全体像について
https://www.seattlemet.com/articles/2009/1/15/0209-powerlines-gangland
ワシントン州の麻薬密売について
http://theathenaforum.org/sites/default/files/Street%20Gangs%20and%20Drug%20Trafficking.pdf
タコマ
http://www.streetgangs.com/news/030110_gangs_sprangup_80s

「ブラッズ」参考文献
VH・パイル対EUS・ハスラーズ
http://www.centraldistrictnews.com/2013/05/man-charged-in-april-shooting-at-mlk-and-jackson-food-mart/
前半はVH・パイルからEUS・ハスラーズに乗り換えた「メス」マッセイ、後半はフーヴァーズの2人のOGについての記事
http://www.seattletimes.com/seattle-news/seattle-gang-tensions-violence-on-rise/
「ウエストサイド・ストリート・モブ」
https://archives.fbi.gov/archives/news/stories/2010/may/trafficking_052010
http://www.centraldistrictnews.com/2011/12/four-time-felon-from-west-seattle-arrested-for-shooting-at-mlk-and-dearborn/
「ピンプは女に夢を売る」
http://o.seattletimes.nwsource.com/html/localnews/2010113369_prostitutiontrial22m.html
シアトルの性産業
http://crosscut.com/2014/10/facing-seattles-sex-industry-underbelly-pt-2/
ピンプに10年の判決
https://www.justice.gov/usao-wdwa/pr/long-time-seattle-area-pimp-sentenced-10-years-prison-sex-trafficking-juvenile
「女はピンプを恐れるとともに愛している。ピンプを裏切っても女の人生がみじめになるだけだ」
http://www.seattlepi.com/local/article/Self-styled-guerilla-pimp-accused-of-5189504.php
thehoodup.com
「Who were the 1st RUs to come to Seattle???」「SEATTLE, WA GANGS?」
「Does Seattle get it cracking?」

「クリップス」参考文献
https://unitedgangs.com/74-hoover-criminals-gang/
http://nwgangs.proboards.com/thread/34/74-hoover-criminals
「狂気はどこから始まったか:ギャングの歴史を探る」
https://web.stanford.edu/class/e297c/poverty_prejudice/gangcolor/madness.htm
フーヴァーズの2人のOG殺害について
http://archive.seattleweekly.com/news/946805-129/seattle-gang-members-shootings-south-criminal
「新たな人生を始めたいと願うギャングリーダーの行き詰まり」
中央地区の出身でありながらサウスエンドのフーヴァーズに入った青年エゼルの苦悩が語られている
http://www.thestranger.com/seattle/no-way-out/Content?oid=2242388
P-ナットの殺害
http://archive.seattleweekly.com/home/937253-129/crime
OG・ヴァンプが長期刑確定後に書いた警告の公開書簡
http://articles.latimes.com/1988-08-10/local/me-68_1_gang-member

「ギャングスター・ディサイプルズ系列」参考文献
1991年のATFの各地のギャングに関する報告書
https://www.ncjrs.gov/pdffiles1/Digitization/147227NCJRS.pdf
http://nwgangs.proboards.com/thread/36/wit-crew
EUS・ハスラーズの3名に実刑が確定
http://pillsbottlesneedles.blogspot.jp/2010/01/east-union-street-hustlers-and-their.html
DWC対クリップス
https://www.seattlemet.com/articles/2011/3/23/down-wit-the-crew-crips-gang-members-battling-for-south-end-territory
「The Corner: 23rd and Union, Movement」
“East Union Street Hustlers”が少しだけ聞ける。
http://www2.kuow.org/program.php?id=18265
“East Union Street Hustlers”
https://store.cdbaby.com/cd/dredi2
クライム・ファミリー・Gz
http://nwgangs.proboards.com/thread/38/56-aka-crime-family-gz
20年以上にわたって強力な存在であり続けるヒルトップ・クリップス
http://www.streetgangs.com/news/030110_crips_powerful_history
南キング郡のギャングの現実
http://www.federalwaymirror.com/news/the-reality-of-criminal-gangs-in-south-king-county/
 
 
 
 
・アジア・アイランダーズ系ギャング

・サモア人ギャング
 サモア人のシアトルへの移住は第2次大戦後に始まり、2000年の時点ではワシントン州全体で約8000人が生活している。

 1980年代後半に西シアトルではサモア系のOG・レノによってユナイテッド・ブラッド・ネーション(UBN)が結成されるが、これはカリフォルニアのUBNに無許可で行われたために黒人たちの不興を買った。
 このUBNはシアトル南東部レイニアー・ヴァレーのサモアン・トライブ・パイルズ、タコマのロイヤル・サモアン・パイルズなどと関係が深く、ブラッズのサモア人脈はまた、マッド・パークという分派も生んでいる。

 その他クリップス系のサンズ・オブ・サモア、ハワイに由来するUSO(ユナイテッド・サモアン・オーガナイゼーション)などの支部も活動しているようである。

 また北シアトルではハワイ出身者からなるネイティブ・サン・ブラッズが1980年代後半から活動し、サモアン・UBNとも友好的であった。彼らはラップグループFull Time Soldiersを輩出している。
 
 
 
・フィリピン人ギャング
 1970年代のワシントン州ではテュリサンズ(盗賊)、アンゴイズ(猿)などが活動していた。
 
 1981年テュリサンズのメンバーであったポンぺヨ・グロイ・ジュニアとジミー・ラミルが労働運動家のシルメ・ドミンゴとジーン・ヴィアネスを殺害する。
 2人は伝統的にフィリピン人が強い影響力を持つ缶詰工場労働組合で活動するだけではなく時のフィリピン大統領マルコスに反対する活動も行っていた。
 そのためマルコスの指示によりテュリサンズが暗殺を実行したが、即死を免れたドミンゴに犯行を証言されてしまい、実行犯の2人は終身刑を宣告されることとなった。
 1991年にはこの殺人に絡んで同じく労働運動家のコンスタンティン・バルーソも逮捕されている。

 その他フィリピン人ギャングにはバハラナ、ピノイ・リアル、フリップサイド、ディアブロズ、ジマンゴッツなどがいる。
 
 
 
・東南アジア系ギャング
 東南アジア系と呼ばれる人々には多種多様な民族が含まれるが、1970年代よりアメリカへやってきたカンボジア系のボートピープルの子弟が目立った存在である。
 伝統的にブラッズもしくはクリップスと友好的で、ターフにこだわった旧来のギャングバンギングを行わない傾向があるために、捜査しづらい存在であるという。
 
 
 シアトルでは南部のタイニー・ラスカル・ギャングスターズ(TRG)とサウス・シアトル・インセーン・ボーイズの対立が2010年からガソリンスタンドでのもめ事をきっかけに燃え上がり、4か月で10件ほどの銃撃事件が起こった。
 2012年にはドキュメンタリー「Raskal Love」が製作されている。

 一方タコマのロックド・アウト・クリップス(LOC)は主にカンボジア系からなるギャングであり、トラン・ダイカフェで行われた「トラン・ダイの虐殺」で5人を殺害したことでその悪名は大いに高まったが、同時に警察の徹底的な追及を受けることとなり、同じくカンボジア系であり長年勢いのあったオリジナル・ロコ・ボーイズ(OLB)とともに現在では沈黙を強いられている。
 
 
 そのほか、ベトナム系のシアトル・ボーイズ及び青年組織のヤング・シアトル・ボーイズを率いていたクイ・ディン・ングイエン(Quy Dinh Nguyen)が2012年に麻薬と殺人で25年の刑を宣告されている。

 カリフォルニアのメナース・オブ・デストラクション(MOD)、アジアン・ボーイズ、オリエンタル・トループスなどの支部のほか、サウスエンド・アジアン・ギャングスターズ、オリエンタル・ファンタジー・ボーイズ、リトル・ルースレス・ボーイズなどの独自勢力も活動している。
 
 
 麻薬情報局the National Drug Intelligence Centerによると、アジア系ギャングはカナダの中国、ベトナム系の麻薬組織からMDMAなどを購入しているようである。
 
 
 
「アジア・アイランダーズ系ギャング」参考文献
「フィリピン人ギャング」参考文献
http://www.criminaljusticesolutionsllc.com/pacific-islanders.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Silme_Domingo
https://www.colorlines.com/articles/unknown-heroes
フィリピン人と缶詰工場労働組合
http://depts.washington.edu/civilr/cwflu.htm
「サモア人ギャング」参考文献
サモアン・UBNについて
thehoodup.com「There is a REAL United Blood Nation gang in the west」
ネイティブ・サン・ブラッズ
http://nwgangs.proboards.com/thread/35/movement-native-son-blood
http://nwgangs.proboards.com/thread/181/sons-samoa-crips-gang
「東南アジア系」参考文献
TRG対インセーン・ボーイズ
http://spdblotter.seattle.gov/2012/08/17/the-gang-round-up-round-up/
「トラン・ダイの虐殺」
https://en.wikipedia.org/wiki/Trang_Dai_massacre
 
 
 
 
・ラテン系ギャング

・サレーニョス
 シアトルを含むワシントン州西部で強い影響力を持っている。

・リトル・ヴァレー・ロコーテス・13(LVL)
 元々はLAのベル・ガーデン・ロコーテス(BGL)の支部であったが、フローレス一家とカントゥス一家を中心とした一部のメンバーが離脱し、1985年にワシントン州グレンジャーで結成した。

 1994年にBGLは友好ギャングの9・デューセズとゲットー・ボーイズを伴ってノルテニョスのパーティーを襲撃するが、たまたまそこにはLVLのメンバーも居合わせており、逆に返り討ちにされてゲットー・ボーイズの16歳の少年が刺殺されてしまう。

 LVLは2010年代に入っても精力的に活動し、2011年のケント市でのロウライダー・カー・ショウでの銃撃事件、2013年のヤキマ郡ワパトでのドライブ・バイ・シューティングなどを起こしている。

 LVLはシアトル、ヤキマなどワシントン州内の主要都市に根を張っており、例えば人口1万6千の小都市セントラリアでは地元出身の25~40名のメンバーがいる。
 
 
・シアトル・ロコーテス・サルヴァトルーチャス・13(SLS13)
 マラ・サルヴァトルーチャ・13は1997年にシアトルに到着したという。
・サウスサイド・ロコス・13
 1990年代初頭には警察からクリップス、ブラッズ、BGDと並ぶ4大ギャングの一つに数えられていたという。
出典:「Responding to gangs : evaluation and research」P238
 
 
 
・ノルテニョス
 1970年代後半にヤキマに到着し他のをきっかけに、ワシントン州東部でより強い勢力を持っている。

 刑務所内には独自勢力のノルテニョ・ビッグ・ドッグスが2000年に設立されている。

 また具体的なギャング名は不明だが、オレゴン州ポートランド近隣に位置するワシントン州ヴァンクーヴァー市で2010年と2016年にそれぞれ「ノルテニョス」のメンバーが逮捕されている。
 
 
 
・「ラテン系ギャング」参考文献
http://nwgangs.proboards.com/thread/37/little-valley-lokotes-13
「LVL対BGLは間違っている」
http://www.topix.com/forum/city/grandview-wa/T2PDA6FGOSJF9A7FC/lvls-against-bgls-its-wrong
セントラリア市のLVL
http://www.chronline.com/news/gangs-get-younger/article_fb3d1e08-05bf-5cca-80c2-9c43bef215ac.html
LVL、プレイボーイ・サレーニョス、ヴァリオ・ロコスなどが絡んだ銃撃事件
http://archive.seattleweekly.com/home/935412-129/crimepunishment
「ヴィヴァ、LVL!」
http://www.yakimaherald.com/news/crime_and_courts/wapato-man-gets-years-in-prison-for-drive-by-shooting/article_46ff9976-00bd-11e5-99b1-6721a4a0c705.html
ワシントン州のギャング・マップ
http://www.therealstreetz.com/2015/11/11/map-of-washington-gangs/
https://archives.fbi.gov/archives/seattle/press-releases/2010/se043010a.htm
http://www.columbian.com/news/2016/oct/13/norteno-gang-member-arrested-in-vancouver-drug-sting/
 
 
 
・その他
 このほか2000年代には、スーダン及びソマリアからの難民の子弟によるイースト・アフリカン・パッシも存在していた。

 ネイティブ・アメリカンの組織は西シアトルにネイティブ・モブ(ミネソタの同名組織との関係は不明)、タコマにネイティブ・ギャングスター・ブラッズ/クリップスが存在している。

 アウトロー・モーターサイクル・ギャング(OMGs)では、ゴースト・ライダーズと抗争して勢力を広げたヘルズ・エンジェルズのほか、バンディドスがテキサスに次ぐ全米第2位の約250名のメンバーを持っている。

 またいくつかの巨大ギャングは軍内部にもメンバーを持ち、州内に7つある軍事基地でもその存在が確認されている。

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