シカゴ・ストリートギャング

・序文
・概要
・歴史

白人系

・歴史
・ゲイローズ
・サイモン・シティ・ロイヤルズ
・ストーンド・フリークス
・ポープス
・C-ノーツ

ラテン系

フォーク

・歴史1 ラティーノ・フォーク・ネーション前史
・歴史2 フォークとULOの三大ギャング
・歴史3 SGD/ラ・タブラ会議とフォーク内戦
     ・サタン・ディサイプルズ

ピープル

・ラテン・キングス

・ラティーノ・フォーク・ネーションのギャング一覧
・ラティーノ・ピープル・ネーションのギャング一覧

黒人系

・歴史1 創生期
・歴史2 三大ストリートギャングの確立
・歴史3 ブラック・ギャングスター・ディサイプルズ(BGD)
・歴史4 1976年以後のBGD
     ・ニュー・ブリーズ
・歴史5 フォークとピープル
・歴史6 ブラック・P・ストーン・ネーション
・歴史7 ヴァイス・ローズとフォー・コーナー・ハスラーズ
     ・ブラック・ソウルズ

・まとめ
・各ギャングのメンバー数について
・参考資料

 序文

 本文は「シカゴのストリートギャング」についての短い「まとめ」である。

 ラッパーのコモンの3枚目あたりを聞いたころ、あるいはヒストリーチャンネルのギャングランドを見たころあたりから、ずっとこのトピックに興味を持っていたのだが、しかし日本では、いつまでたっても、LAの「モンスター」コディ・スコットの本程度も訳されず、これではシカゴのストリートギャング本「インセイン・シカゴ・ウェイ」の和訳など遠い話だろうと思い、まあ自分でやってはいけないわけでもないし、適当にまとめてみることにした。
 どうも文章が細切れ気味なのは、最初はツイッターにでも書こうかと思い、後にmemoに書きつけていたからである。

 知識不足ゆえに、書けなかったことは多い。
 単純にストリートギャングというものの社会的存在に対する理解が間違っている可能性は大きい。

 たとえばハンドサインの意味などはyoutubeをあされば出てくるし、各ギャングの所属ラッパーも説明してくれている動画がある。テリトリーについてもご丁寧にもグーグル・マップで説明してくださっている方がいる。こういったインサイダーには一目瞭然のことでも、外国人には理解は難しい。

 加えて言うなら、20世紀シカゴ裏社会の、そのさらに裏側にある政治思想、人種問題、貧困問題、さらにはアメリカ社会そのものの変化など、筆者には到底手に負えるものではない。

 そこでこの短い文章では、単純にギャング抗争史に焦点を絞った。
 筆者自身に書きやすくするためかなり単純化しており、たとえばシカゴの地理には明るくないので、各時代のターフ争いについてはあっさりと省いた。

 この文章は、たんなる「レポート」であり、新しい知見や情報などはない。
 ネット上にノイズ情報を増やすのは本来嫌なのだが、英語圏の情報の日本語圏への翻訳という事情もあるし、多少は許されるだろう。
 ギャング名を可能な限りカタカナで表記したのは、日本語の情報を増やしたいと思ったからである。
 興味を持たれた方にはぜひとも文末の参考資料をお勧めするし、この手のことを知ったかぶって書くなよ(自分でもどうもこう考えてしまって今まで気が乗らなかった)という方には、日本語でのより節度ある啓蒙をお願いしたい。
 マニアとまでは言わないまでも、この手のこと全般に関してアメリカレベルの常識を持った人間の増加を期待したい。

 長い! と思う方はまとめからどうぞ。
   

   

   
   
    シカゴ・ストリートギャング
   
  ・概要
  
 アメリカ第三の都市シカゴに戦後誕生した若年層中心の犯罪組織である。
 現代アメリカではLA系と並ぶ2大勢力の一つであり、内部では「ネーション」により二分されつつも、イリノイ州内のみならず外の多くの州にも勢力を持つ。
 全米共通のグラフィティ、シンボルカラーに加えて、セーター、ギャングカードなどの独特のアイテムでも知られ、NY、LAに比較して白人ギャングが長く残ったことによる影響か、竜、悪魔、使徒などの伝奇的シンボルを好む傾向がある。またシカゴではクリップス、ブラッズ、MS13等の外部の巨大ギャングがほとんど勢力を持たないのも特徴的であり、当地の独立性を強く物語る。

 同市の犯罪組織シカゴ・アウトフィットとは違い、各ギャングはそれぞれ利害のみならず理念を共有する人間の集まりであり、例えばディサイプルズのメンバーは「ディサイプル」である。「ネーション」はこの発想に由来する。
 
   本文では主に、2017年現在存在するギャングを扱う。
   
   
  ・歴史
 
 ストリートギャングは1940年代から登場し始め、アメリカ社会の変化とともに人種、文化を変化させ続けてきた。
 他都市と同様に、シカゴ裏社会にも人種問題が存在してきたが、白人ギャングの相対的衰退により対立の最重要点ではなくなり、1978年には刑務所内でのラリー・フーヴァー提唱の会合によって、人種を超越した「フォーク」がまず設立、続いて敵対者により「ピープル」が作られ、2大ネーション(同盟)が確立されることとなる。
 シカゴを二分したこの同盟は、参加ギャングには味方以上に敵を与え、様々な抗争の火種になった。しかし同盟は多くの内紛を抱えながらも現在まで存続、シカゴギャングはたいていどちらかの系列に位置づけられる。
 NY、LA同様ギャングに関係した殺人が多発してきており、両都市と異なりその数は現在でも下がってはいないが、現在は都市部の「浄化」により、縄張りを失い窮地に立たされている組織も存在する。
     
     
     
     
     
     シカゴ・ストリートギャング(白人系)
  
  ・歴史

 イタリア、アイルランド、ポーランド、ギリシャ系の白人マイノリティを中心とする勢力。
 その多くが1950年代の「グリーザー」時代に起源をもち、kkk的自警団メンタリティーにも親和性が強い。
 1972年には都市部へのラテン系の移住と、それに伴うラテン系ギャングの拡張に対抗するため「ホワイト・パワー・オーガナイゼーション」(WPO)を結成するも、内紛により自壊、継承組織のUFOも10年ほどで崩壊する。70年代中は人種対立に乗じて拡大したが、80年代後半には「ホワイト・フライト」の進行によって急速に衰退、90年代以降は弱小勢力に転落し、多くの伝統あるギャングが解散している。
   
   
   ・ゲイローズ 1950年代初頭設立

 シカゴ最古のストリートギャングの一つ。
 1950年代にはアメリカ4大暴走族の一つアウトローズとの抗争などの逸話を持つ。
 ラテン・キングス、サイモン・シティ・ロイヤルズ等と「古きアメリカ的グリーザー・ギャング」として抗争を続け、1970年代後半の最盛期には6000人を超えるメンバーがいたといわれる。
 WPOの後継組織UFO(ユナイテッド・ファイブ・オーガナイゼーション)の中心だったが、刑務所内での安全のためにピープルに加入し、旧友Cノーツとの仲たがいによって同盟は消滅する。
 現在のメンバーは50人を超えることはないと思われる。

   ・WPO          ・UFO
    ゲイローズ     → ゲイローズ
    ロイヤルズ       C-ノーツ
    他白人ギャング多数   テイラー・ジョウスターズ
                シャイ・ウエスト
                PVP
  
  
   ・サイモン・シティ・ロイヤルズ  1950年代初頭設立

 ゲイローズと並ぶ2大白人ギャングの一つであり、比べてより犯罪志向の強かった彼らは、白人連合WPO瓦解の原因でもあった。
 72年よりアラブ、ビンボ、タフィーなどのリーダーを殺害されるも、メンバー数は膨張し続け、70年代を通して盲目的な抗争を続けていくこととなる。78年にフォーク・ネーションに加入し、盟友ポープスと共にゲイローズ、アンノウンズ他との抗争を続けるが、その間にもラテン系ギャングに勢力をそがれ続けていった。
 刑務所を通じてイリノイ州外にも拡張し、ミシシッピ州などにも存在が確認されている。
  
   
   ・(ストーンド)フリークス 1967年  ピープル

 珍しいヒッピー・ギャング。
 ラテン系との抗争を経てWPOに加わり、後継のUFOにも継続して参加する。
   
  
   ・ポープス 1960年

 ギリシャ系によって結成され、かつてはロイヤルズを凌ぐ存在だったが、後に抗争の事情によりフォークのノースサイドとピープルのサウスサイドに分かれることとなる。
 ノースサイド・ポープスは75年にはリーダーのラーキンがゲイローズによって殺害され、勢力を失い徐々にロイヤルズに吸収されていく。一方サウスサイド・ポープスは、95年に誤って10代の少女2人を殺害したことで急速に没落していくこととなった。
   
  
   ・C-ノーツ イタリア系 1952年 フォーク

 「Cノート」とは百ドル札のこと。
 イタリア系の出自からシカゴ・アウトフィットとの関係が強く、多くのメンバーを輩出してきており、その中には2016年よりストリート・ボスと目されるアルバート・ヴェナなどがいる。ヴェナは前述の書インセイン・シカゴ・ウェイの情報提供者「サル」ではないかと思われるが詳細は不明である。

 C-ノーツが生まれたイタリア人街は、1920年代からアウトフィットの生け簀であった。
 ノーツも少数ながら悪辣な存在であり、有色人種のギャングすらも彼らを恐れ、1968年のMLK暗殺暴動の際にも暴徒は彼らの縄張りに立ち入らなかったほどだという。
 WPO崩壊後はUFOに加入し、人種規制を緩めてラテン系を入れるようになっていったが、ゲイローズのピープル入りにラテン・キングス憎しでついていかなかったことで亀裂が生じ、UFOは崩壊する。
 80年代後半にリーダー2人の念願のアウトフィット入りにより実権を握った「ラッキー」は、ハリソン・ジェンツとのコカイン取引を開始するが、彼らからマリファナを盗むなどして、投獄後に後継者がジェンツとの取引を打ち切ったとき、怒りを買い抗争に入ってしまう。
 2大ネーションからは長く中立を保っていたが、1995年にはフォークに加入し、傘下に「X-メン」を組織しナイトクラブでのエクスタシー密売を手掛けるようになる。また上記リーダーの一人ドミニクは刑務所においてラテン系ギャングMLDsのガルシア弟と同房であり、C-ノーツは破綻した「スパニッシュ・マフィア構想」でも重要な役割を果たした。

   ウェブ上に日本語での情報を少しでも増やしたいので念のため。

   その他の白人ギャング。
   ポウリーナ・バリー・コミュニティ、ヘルズ・デヴィルズ、
   ソーンデール・ジャグ・オフス、アップタウン・レベルズ
     
    
    
    
    シカゴ・ストリートギャング(ラテン系)

   ・フォーク

   ・歴史1 ラティーノ・フォーク・ネーション前史
    
    
 後の三大ギャングのフォーク結盟以前は以下のとおりである。

 スパニッシュ・コブラズ
 1952年スパニッシュ・コブラズがプエルトリコ系によって設立される。当初の名は「狂った蛇」を意味するクレブラ・ロカであった。60年代中盤からのラテン・キングスおよび白人二大ギャングとの戦いの中で、彼らは次第にMLDs、IGzとの関係を深めていく。70年代中盤「キング・コブラ」が実権を握り、フォーク・ネーション設立に参加。
 
 ラテン・ディサイプルズ(MLDs)
 1966年ラテン・ディサイプルズが「キング・ヒトラー」によって設立されるも、1970年ヒトラーはラテン・キングスに殺害される。両ギャングの抗争が激化すると、その結果収監された多くのメンバーは、ラリー・フーヴァーとブラック・ギャングスター・ディサイプルズの庇護を受けるために、刑務所内では便宜的にスパニッシュ・ギャングスター・ディサイプルズと名乗ることになり、これがフォーク・ネーション参加の布石となった。

 インペリアル・ギャングスターズ(IGz)
 1960年代に誕生したインペリアル・バチェラーズは支部間の抗争でインペリアル・スパニッシュ・ギャングスターズに敗北し、インペリアル・ギャングスターズに改名することとなった。1978年にフォーク・ネーション設立に参加。
    
    
    
   ・歴史2 フォークとULO

 1976年スパニッシュ・コブラズは、白人連合UFO及びラテン・キングスの脅威にさらされていたラテン・ディサイプルズとYLO(ヤング・ラティーノ・オーガナイゼーション)を結成、2年後にはインペリアル・ギャングスターズとラテン・イーグルスなどを加えてULO(ユナイテッド・ラテン・オーガナイゼーション)を組織し、その後YLOは両組織に見込まれた10代前半の少年たちが訓練を積むためのトレーニング・キャンプの名前となったが、次第に独立性を増していき、YLOコブラズ、YLOディサイプルズとして単独行動をとるようになっていった。

 1992年の内紛までこのフォーク内同盟は維持されたため、ディサイプルズはラテン・キングスと、コブラズはキングスの盟友アンノウンズと、後顧の憂い無く抗争を続けていくことができた。

    ・ マニアック・ラテン・ディサイプルズ
    ・ インセイン・スパニッシュ・コブラズ
    ・ オールマイティー・インペリアル・ギャングスターズ

   このULO三組織の結束は80年代を通じて壊れることはなかった。
   
  
    ・歴史3 SGD/ラ・タブラ会議とフォーク内戦

 SGD(スパニッシュ・グロウス・アンド・デヴェロップメント)「スペイン系の成長と発達」はマフィアを模倣しようとしたラリー・フーヴァーのアイディアを受け継ぎ、そのヒスパニック版ともいえるものである。そして、1980年代後半に刑務所内のラテン系各ギャングの指導部によって行われたラ・タブラ会議は、ラテン系フォーク・ギャングを団結させ犯罪組織としてより一層の向上を図ろうとする「スパニッシュ・マフィア構想」であった。
 しかしラテン・ディサイプルズは、この会議を自分たちがラテン系フォークスを牛耳る絶好の機会ととらえ、縄張り荒らしや「税金」の要求など、その行為は次第に増長していった。

 そのため1992年には、マニアック・ラテン・ディサイプルズ、インセイン・スパニッシュ・コブラズ、オールマイティー・インペリアル・ギャングスターズのフォーク三大組織による三つ巴の内戦が起こり、
   特に同盟体である 

   マニアック・ファミリア(YLOディサイプルズ、ラテン・イーグルス、ラテン・ラヴァーズ、
  ラテン・スタイラーズ、ラテン・ジャイヴァ―ス、ブレイザーズ、M・キャンベル・ボーイズ)と

   インセイン・ファミリア(YLOコブラズ、オーケストラ・アルバニ―、アッシュランド・ヴァイキングス、
  デューセズ、I・キャンベル・ボーイズ、ハリソン・ジェンツ、ドラゴンズ、C-ノーツ)

   の抗争は熾烈を極めた。
 
 一方残ったインペリアル・ギャングスターズはオールマイティー・ファミリアを白人ギャングのロイヤルズ及びノースサイド・ポープスと結成し、三家族は終わりなき戦いに突入していった。
  
   
 三家族の兄弟ギャングたちはこの間、ついていく相手を変える組織も多かった。95年にMLDsの課す「税金」にたまりかねた四ギャングが反乱を起こし、一方でインセインからも脱落者が出た。

 この抗争の最中に起こったMLDs内部のバム兄弟対ガルシア兄弟の顛末が、ギャングランドのエピソード”Maniacal”において、元MLDsメンバーの側から語られている。内部の者から見ても、悲劇的な戦いだったようである。
   
 1999年、内外の抗争に倦んだディサイプルズとコブラズ双方の首脳部の提案で休戦協定が結ばれようとしたが、一部の者はそれを望んでおらず、ディサイプルズメンバーの殺害によって休戦は頓挫する。同時にシカゴ・アウトフィット参加の「スパニッシュ・マフィア構想」も失敗に終わったが、三大ギャングはいずれも健在で、強度を変えつつも抗争し続けている。
   
   
・サタン・ディサイプルズ
 1959年に「キング・サタン」によって結成され、当初は白人中心だったが、次第にヒスパニック系を受け入れ、少数ながら60年代の抗争を耐え抜いた。

 キングの座はサタンからカナリーを経てアギーに受け継がれるが、彼は1983年投獄される。1978年にはフォーク・ネーションに参加する。

 1988年SDは以前から因縁のあったトゥー・シックスとその同盟であるパーティー・ピープル、ラ・ラサ、シン・シティ・ボーイズ、そしてラテン・ソウルズとの抗争に突入し、続く1990年代初頭にはアンブローズ、トゥー・トゥー・ボーイズ、クレイジー・ゲットダウン・ボーイズ、加えて中期にはハリソン・ジェンツ、C-ノーツ、ミルウォーキー・キングスと戦端を開くこととなった。

 1995年にキング・アギーが出所するが、副官との権力争いを経てもはや全組織を統率するのは不可能と判断、以来「キング」の地位は空位のままになった。

 彼らのインセイン同盟は上記のコブラズのインセインズとは無関係の同盟である。
   
   
   
   
・ピープル
 
   ・ラテン・キングス

 ラテン・キングスはメキシカン・キングス、ロイヤル・キングス、インペリアルズ、コールター・キングスの連合体として、1964年にインペリアルズの「パパ・キング」によって設立され、1970年代初期には勢力をシカゴ中に広げていく。
   
 1972年リーダーのBKとロード・ジーノは殺人罪により投獄されるが、2人を含む7人のリーダーは獄中にて行動指針となる「キング・マニフェスト」を発表、麻薬中毒のメンバーは追い出されるようになり、彼らはその後も獄中よりキングスを操り続けていく。

 1978年フォーク・ネーションが設立されるが、ラテン・キングスはすでに60年代からヴァイス・ローズおよびブラック・P・ストーンズと対ブラック・ディサイプルズのデヴィッド・バークスデールへの共同戦線を張っており、ピープル・ネーションの迅速な創設は容易であった。またストリートにおいては、ULOに対抗すべくUPK(アンノウンズ、シカゴ・プレイヤーズ、キングス)を結成する。
 しかし麻薬戦争の激化によりラテン系ピープルは形骸化し始めていた。1991年よりのラテン系フォークスの内戦による弱体化もともなって、巨大化したキングスはピープル・ネーションの同盟をもはや不必要と判断し、全方位敵対のABK(エニバディ・キラー)政策を取り、ラテン・カウンツ、スパニッシュ・ローズなどかつての同盟ギャングを攻撃し始めることとなった。
    
 彼らはフォークのIGzとは違い、単なる称号としてオールマイティーを使っている。
   
   
   
   
・ラティーノ・フォーク・ネーションのギャング一覧
(1992年の内戦を軸にした)
   
   
オールマイティー系
インペリアル・ギャングスターズ(IGz)
ハリソン・ジェンツ (ヴァイキングスとの抗争のため
           インセインからオールマイティーへ)
ラテン・イーグルス (マニアックからオールマイティーへ)
   
   
インセイン系
スパニッシュ・コブラズ
YLOコブラズ(グラフィティでもめてYLODsと敵対)
オーケストラ・アルバニー(コブラズの従弟ギャングとして
             当初からインセインに参加)
デューセズ(元ピープルだったがラテン・キングスに
      押されてインセインへ)
ドラゴンズ(1970年設立、90年ごろに仇敵C-ノーツと和解。
      MLDsに侵攻されていたためインセインへ)
C-ノーツ(OBのマフィアがMLDsのガルシア兄弟の弟と同房だった)
カラートン・デューセズ(上記デューセズの従弟ギャングであり、
            遅れて94年にインセインへ)
ラテン・ラヴァーズ(マニアックからインセインへ)
アッシュランド・ヴァイキングス(ポーランド系により設立、
                ヴァイス・ローズを
                BGDとの戦いで助けフォークへ)
I・キャンベル・ボーイズ(抗争の板挟みになり二派に分裂した
            CBsのコブラズ派。のちに消滅)
   
   
マニアック系
ラテン・ディサイプルズ(MLDs)
YLOディサイプルズ
M・キャンベル・ボーイズ(CBsはもともとMLDsよりであった)
   
   
独立系
ラテン・ジャイヴァ―ズ(マニアックからインセインへ、
           「税金」を嫌がりその年のうちに脱退)
ラテン・スタイラーズ(マニアックから反乱しレネゲードへ) 
ミルウォーキー・キングス(70年代にラテン・キングスの支部が
             独立か。マニアックからレネゲードへ)
   
   
サウスサイド・インセイン同盟
サタン・ディサイプルズ(SD)
マジェスティックス
ギャングスター・シティ・ナイツ
トゥー・トゥー・ボーイズ(脱退)
   
 マジェスティック・パーティー・クルー(MPCs)は当初ブレークダンス・クルーだったが、人気を得てメンバーを増やしていくにしたがって、大ギャングたちに煙たがられ攻撃され始める。多くのメンバーが暴力沙汰を嫌い去ってゆき、犯罪志向の強いものは別のギャングに入るようになっていく中で、1990年MPCsは腹を決め、トゥー・トゥーズにギャングバンギングについて教えを請い、ギャングの道を歩んでいく。
 しかし彼らはフォーク入りに当たっては、SDを後見役として選び、自分たちの傘下に入ることを期待していたトゥー・トゥーズはこれに激怒し攻撃、この好機を逃さずに両ギャングを攻撃したMLDsの脅威によって休戦し、MLDsに対抗していく。後にトゥー・トゥーズはMLDsと停戦するが、マジェスティックスは抗争を続けていくこととなった。
  
 ギャングスター・シティ・ナイツはパーティー・プレイヤーズの同盟者だったが、のちにSDの庇護下で勢力を伸ばしていく道を選んだ。
 
 
 その他

 ギャングスター・パーティー・ピープル
 ラ・ラサ
 
 1971年結成のパーティー・ピープルに、翌年元ラシン・ボーイズの「ボニー」が移籍したが、リーダー争いで旧ブレイザーズメンバーとともに追い出され、ラ・ラサを設立し勢力拡大に励むことになる。両ギャングはトゥー・シックスの口利きによりフォークに加入、1980年代初頭は仲間意識があったが、結局元の木阿弥となり抗争を再開する。
   

 トゥー・シックス    
 1964年にアルフォンソ・アヤラが結成する。1986年のアンブローズ、トゥー・トゥー・ボーイズとの同盟解消を皮切りに、SDを始めとするフォークの旧友たちとの抗争を開始し、ついには盟主GDにまで刃を向けることとなる。

 ラテン・ソウルズ    
 トゥー・シックス、ラ・ラサ、ラテン・カウンツ、SDそしてシティ・ナイツと抗争。
 
 シン・シティ・ボーイズ 
 1960年代にパーティークルーとして始まり、ビショップス、カウンツ、トゥー・トゥーズと抗争する。
      
 アンブローズ   
 ラシン・ボーイズ    
 アンブローズは90年代にSD、MLDs、ラシン・ボーイズ、パーティー・ピープルと抗争する。ラシン・ボーイズはアンブローズに次第に飲み込まれていき消滅してしまう。
  
   
   
   ・ラティーノ・ピープル・ネーションのギャング一覧
     
 
 旧UPK(アンノウンズ、プレイヤーズ、キングス)
 ラテン・キングス
 シカゴ・プレイヤーズ
 アンノウンズ
 スパニッシュ・ローズ
 ウォーローズ
 1978年に対UFOとして三団体でUPKを結成するも1992年に崩壊、それぞれの抗争を続けていった。

 ラテン・カウンツ
 ビショップス
 ラテン・ブラザーズ
 1950年代に、シカゴ最古のギャングの一つであるラテン・カウンツは、イタリア系のテイラー・デュークスなどに対抗するため組織され、後にアンブローズと抗争を展開する。ピープル加入によってラテン・キングスと同盟するが破綻、1991年よりシカゴの同盟内戦のうちで最も血塗られた戦争の一つに突入することとなる。
   
 1968年に、BDNを追放された黒人ハロルド・ウォーカーはラテン・カウンツの数人とビショップスを結成し、カウンツとの親睦関係により1978年ピープルに参加するが、数年後ビショップスが誤ってカウンツの1人のガールフレンドを殺害し、カウンツは銃撃で報復する。1991年ビショップスとラテン・カウンツはラテン・キングスを交えて抗争を開始することになった。

 LBsは1970年の創設時よりカウンツ、ビショップスと組みアンブローズと抗争、ピープル加入後はいくつかのターフを失うが健在である。

 セインツ                          
 パーティー・プレイヤーズ

1960年結成のセインツは長らく孤高を保ってきたが、1989年にピープルに加入、支配地域の新興ギャングを吸収し、最盛期でも数百人ながら好戦的な集団として知られていた。プレイヤーズは彼らと80年代からライバル関係にあった。
 

 (プエルトリカン・ストーンズ)
 ラ・ファミリア・ストーンズ
 1968年ラテン・イーグルスを追い出されたダニー・ヴェレスが、BPストーンズの支部として創設したが、しかしネーション・オブ・イスラームに傾倒した後継のエル・ルークンスとは距離を置き、83年にフューチャー・ストーンズ、92年にファミリア・ストーンズへと生まれ変わり、現在では非ラテン系メンバーも受け入れている。
   

 ラテン・パチューコス
 1970年代後半にプエルトリコ系の地区で生まれたメキシコ系ギャング。自分たちを侮辱した巨大ギャングMLDsに立ち向かい、アンノウンズに誘われるも拒否し、MLDs及びULOとフォークス、アンノウンズ及びUPKとピープルの両勢力と敵対する。この勇敢さを見込んだラテン・キングスの仲介により、アンノウンズと和解しピープル入りするも、ピープル内戦により再び孤立無援の状態に陥り、相手ギャングのネーションを問わず抗争を続けていく。

   
 トゥウェルフス・ストリート・プレイヤーズ
 ギャング・シーンでは珍しいことに、郊外で結成され、都市部に勢力を伸ばしてきた歴史を持つ。
 イタリア系ギャングエクワイアズの後継者として結成、アーク・デュークスとも親しかった彼らは、ラテン・キングスの同盟者としてトゥー・シックスと戦い、1991年のピープル内戦ではキングスにつくが、次第に強大な同盟者に食いつぶされていく。その後サウスサイド・ポープスの従弟ギャングとなり都市部に支部を設立するが、この同盟関係によってポープスの少女殺害事件のとばっちりを受けて警察の厳重な監視対象にされることとなる。これにより一時は都市部から一掃されたが、その執念によって再び勢力を盛り返してきている。

 スパニッシュ・ヴァイス・ローズ
 1979年スパニッシュ・コブラズの離脱組織キング・コブラズと盟友BGDに反発したヒスパニックがヴァイス・ローズに請うて設立された組織で、その恐れを知らない行動でメンバーを勝ち得ていった。ラテン・キングスに潰されたワンダラーズメンバーも吸収している。

 ノーブル・ナイツ
 80年代にはアーク・デュークスの残党を吸収し、1991年のカウンツ対ラテン・キングスではキングスについた。

 ラテン・エンジェルズ
 シカゴ郊外シセロのロウライダー・クラブだったが、1993年ラテン・キングスの傘下に入る。
   
   
   
   
   

シカゴ・ストリートギャング(黒人系)
 

    ・歴史1 創生期
   
 1947年にシカゴの有色人種への居住制限が緩められた結果、シカゴウエストサイドの白人街だった地域が「ブロックバスティング」によって急速に黒人街へと変わり、その結果地区の中学高校でインペリアル・チャンプレインズ、エジプシャン・コブラズ、クローヴァーズ・アスレチック・クラブなどのギャングが生まれ、メンバーの成長とともに巨大化、凶暴化していった。
 そして1957年に矯正施設にて「ぺピロ」がインペリアル・チャンプレインズの元メンバーとともに(コンザヴァティブ)ヴァイス・ローズを結成し、60年代初頭には10000人を超える大勢力となった。
   
   
    ・歴史2  三大ストリートギャング

 黒人社会にとって激動の年だった1966年にはまずデヴィルズ・ディサイプルズのデヴィッド・バークスデールがブラック・キング・コブラズのジェローム・フリーマンとともにブラック・ディサイプル・ネーションを結成、それに対抗するためにユージーン・へアストンがブラック・P・ストーン・ネーションを組織、さらにはシュープリーム・ギャングスターズのラリー・フーヴァーがギャングスター・ネーションを創設し、ヴァイス・ローズと合わせて、シカゴの黒人裏社会には三大ストリートギャングが存在することになった。
   
   
・ヴァイス・ローズ(後の分派がフォー・コーナー・ハスラーズ)
・ブラック・P・ストーンズ(後の分派がミッキー(エジプシャン)・コブラズ)
・ギャングスター・ディサイプルズ(後の分派がブラック・ディサイプルズなど)
    
   
「三大」ギャングと、特に関係の深い組織である。   
   
   
・歴史3 ブラック・ギャングスター・ディサイプルズ(BGD)
 

 BKコブラズとシュープリーム・ギャングスターズはリーダー間の私的な怨恨で抗争を繰り広げていたが、フーヴァーと意気投合したバークスデールは、副官フリーマンにフーヴァーとの対立に目をつぶらせ両組織を融合させることに成功、1969年にはブラック・ギャングスター・ディサイプルズ(BGD)が生まれることとなった。
 
 同年BGDはヴァイス・ローズ、ブラック・P・ストーンズとともに黒人社会の向上を目指す組織「LSD」を結成するが、結局目的は果たされずに終わる。しかし73年のヴァイス・ローズとの抗争での他人種ギャングとの協力関係は、後のフォーク・ネーションの原型となった。

 73年フーヴァーは片腕ハワードとともに殺人罪で有罪になり超長期刑が確定。
 74年バークスデールは腎臓の合併症で死去。

 娑婆で健在のフリーマンはナンバー2の座に甘んじず、収監中のフーヴァーに忠誠を誓う者たちに攻撃を開始する。そして2年の内戦の後、協定により、BGDは2派にわかれることとなる。
   
   
   
   
・歴史4  1976年以後のBGD
 
 
 (≠ブラック)ギャングスター・ディサイプルズ(GD)
 
 BGDのフーヴァー派であり、フォーク・ネーションの盟主的存在である。多人種への門戸開放政策とBDへの敵意から89年にブラックが名前から落とされた。21世紀に入っても35000人近くのメンバーが存在するという。
   
   
 ブラック・(≠ギャングスター)ディサイプルズ(BD)
 
 バークスデールの死後、組織の三分の一を率いて独立したジェローム・フリーマンの組織である。バークスデールの遺志を強調するため、名前から「ギャングスター」を落とした。現在6000人のメンバーが存在すると言われている。
   
   
 ・ニュー・ブリーズ

 1978年に、強面で知られた巨漢ジョージ・デーヴィスは、BGDから離脱したメンバーとブラック・ギャングスターズを設立して、まずはBGD、その後はブラック・ソウルズとの抗争を開始した。87年にブラック・ソウルズに寝返った元部下ギャビーの差し金で刺されるが、なんとか一命をとりとめている。
 デーヴィスはBGDに応援を頼んだが拒絶され、これによってフォーク・ネーションを見限り脱退、1991年には彼自身の手でギャビーを殺害したとうわさされている。同時期に離脱した若者たちがニュー・ブリーズを結成し、ギャングを独自に拡大していく。

 ニュー・ブリーズの成功を見たデーヴィスは両組織を融合させ、さらには組織全体を改名する。2009年デーヴィスは71歳で死去する。「最後のドン」とたたえられていたという。
    
 2012年には「鳥の檻」作戦により、リーダーの一人「バード」ボスティックが逮捕されている。
    
   
   
   
   
 ・歴史5  フォークとピープル

 1978年、ラリー・フーヴァーはポンティアック刑務所において、各ギャングの幹部格に刑務所内の秩序を守り、縄張り争いを理性的に統括するような、人種を越えた「ネーション」の創設を提案する。それが「フォーク」であり、まず歴史ある強力なギャングに同盟が持ちかけられた。
 参加したのはBGDの2派のほか、白人第2勢力ロイヤルズ、後に内紛を起こすことになる前述のラテン系三大ギャング、MLDs,IGz,ISコブラズなどである。

 一方、敵対するピープル・ネーションを構成したのは、BGDに対立する黒人ギャングである
 ヴァイス・ローズとその友好組織フォー・コーナー・ハスラーズ、
 ブラック・P・ストーンズ、ミッキー・コブラズのほか、
 ヒスパニック系最大組織のラテン・キングス、白人最大組織のゲイローズなども参加した。
   
 その後フーヴァーは「成長と発達」(GD)を打ち出し、フォーク内部に強く影響を与えることとなる。
   
   
   
   
 ・歴史6   ブラック・P・ストーン・ネーション

  
 1950年代後半ジェフ・フォートとユージーン・へアストンによって結成されたブラック・P・ストーンズ、旧名ブラックストーン・レンジャーズは、当時から現在までシカゴの最重要勢力の一つであり、リビアのカダフィとの交友でも知られていた。
 
 1966年ブラック・P(ピラミッド)・ストーン・ネーションが設立されると、ミッキー・コグウェルをリーダーとする古参の黒人ギャングエジプシャン・コブラズもこのネーション結成に加わり、コブラ・ストーンズとして共に勢力を拡大していった。

 1972年ジェフ・フォートは政府の貧困層支援計画資金の横領によって収監され、フォートの不在中に、コグウェルは次第にBPSネーションを掌握するようになっていく。
 しかし4年の刑期を終え出所したフォートは、アメリカン・イスラームの一派「ムーア人科学寺院」に改宗しており、1976年新組織エル・ルークンス(カアバ神殿の礎石、あるいは単に基礎の意)の設立を宣言する。部下に改宗を強制しようとし、酒や豚肉を禁じるその厳格な方針は多くの反感を買ったが、フォートに面と向かって刃向かえたのはコグウェルのみであった。
  
 だがその翌年コグウェルは何者かによって暗殺される。
 フォートの犯行を疑ったコブラ・ストーンズの新リーダーであるセオティス・クラークはルーキンスからの脱退を宣言して、ミッキー・コブラズとして全面戦争を仕掛けることになる。両ギャングのピープル・ネーション加入によって抗争は収まったが、80年代前半にへアストンは殺害され、フォートもテロ行為への加担と殺人により収監される。
 エル・ルーキンスは1989年に消滅し、継承組織としてブラック・P・ストーンズが復活し、またへアストン派はタイタニック・ストーンズを結成した。

   
   
   
   
歴史7
 
・ヴァイス・ローズ
 
 1950年代にまで起源をさかのぼることができるコンザヴァティブ(保守的な)・ヴァイス・ローズは、 60年代後半には政治団体CVL INCを設立し、黒人社会に対する政府の「援助利権」に食い込もうとしたが市長リチャード・デイリーによる「反ストリートギャング戦争」により窮地に立たされ、多くのメンバーが興隆するヘロイン取引に活路を見出し、73年のLSD計画を最後に政治とは手を切ることとなった。
 この時期にインセイン、マフィア、アンダーテイカ―、エボニー、トラヴェリング、エクセキューショナーなどの支部が確立され、78年のピープル・ネーション参加後、BPSNの影響でイスラームの教義を取り入れた。1980年には新リーダーの「ミニスター・リコ」がヒスパニックを受け入れ、スパニッシュ・ヴァイス・ローズが設立される。

 90年代に入ると麻薬戦争の激化によってBPストーンズおよびミッキー・コブラズとの和睦、そして各支部間の団結も消えてなくなり、内部抗争も日常茶飯事になったが、25000人のメンバーによって、シカゴ第二のギャングであり続けている。 
 
 
・フォー・コーナー・ハスラーズ

 「世界の四方を制す」との意気込みで名づけられたフォー・コーナー・ハスラーズ(4CH)は、ウォルター・ウィートとマーヴィン・エヴァンスによって1968年に結成され、のちにはフレディー・ゲージ、モンロー・バンクスらも加わる。当初は麻薬を禁じトラック強盗を生業とする小さな組織だったが、リーダーたちの収監により、組織は次第に麻薬に手を出し始めていく。

 ウィート、ゲージ、バンクスの3人は1977年刑務所内でピープル・ネーションに参加、さらにヴァイス・ローズに庇護を求め、所内ではその一支部として行動することとなる。その後ゲージは所内で悪質な密造酒に当たり死去、エヴァンスは「召命」を受けギャングを引退、出所したバンクスは部下たちとともにクラック取引を精力的に行い、ウィートは変化した4CHに失望しながらも、御意見番の地位に納まった。

 1991年バンクスはブラック・ソウルズにより殺害される。

 バンクスの死後はウィートと義理の息子であるアンジェロ・ロバーツが実権を握ることとなるが、穏やかな麻薬組織を望むウィートに対してロバーツは大胆な拡張政策をとり、スパニッシュ支部、州外支部を組織、さらには警察を襲撃するためのロケットランチャーを購入しようとするなど過激な行動をとる。
 1994年にロバーツは義父ウィートを疎ましく思い殺害、その後95年にロバーツ自身も車のトランクの中でのどを割かれた死体となって発見される。内部の者の犯行と推測されている。

 レイ・ロングストリートが後を継ぎ組織を拡張、現在では10000人近いメンバーがいると見られている。
  
  
・ブラック・ソウルズ

 フォーク、ピープルいずれにも属さないギャングであり、両者の間をうまく泳ぎ回り、2000年代以降徐々に勢力を拡大しつつあるようである。4CHとのマッド・ブラック・ソウルズ、ニュー・ブリーズとのニュー・ライフ・ブラック・ソウルズ、BGDとのギャングスター・ブラック・ソウルズなどの複合ギャングも結成している。

   

   

    ・まとめ

 まあ、ここまで書いてきたけど……。

 これでは何が何だかわかりませんね。とりあえず

   

   黒人の主軸として
フォークス
・ブラック/ギャングスター・ディサイプルズ       
               VS
ピープル              
・ヴァイス・ローズ、フォー・コーナー・ハスラーズ   
・ブラック・P・ストーンズ、ミッキー・コブラズ        

   白人の主軸として
フォークス
・サイモン・シティ・ロイヤルズ                
            VS
ピープル             
・ゲイローズ                  

   ラテン系の主軸として
フォークス
・マニアック・ラテン・ディサイプルズ             
・インセイン・スパニッシュ・コブラズ         
・オールマイティー・インペリアル・ギャングスターズ
           VS
ピープル             
・ラテン・キングス

   

 を押さえておきたい。
 あとは内輪もめが頻発してきたと念頭に置いておき、さらにラテン系では対外戦争以上の規模の内戦が90年代初頭にあったことを覚えておけばいい。ピープル/フォークスは黒人の対立から始まっており、それがラテン系を巻き込むのは基本的にLAよりも黒人の勢力が強いシカゴらしい話であると思う。

 BGDについていった黒人ギャングがほとんどいなかったことは、黒人側の事情をかなり分かりやすくしているように思う。対照的にラテン・キングスは、抗争していない相手の方が少ないくらいの巨大さだが、それでも微妙に同盟者が多いので、どうにも1991年の「ABK」以前の抗争関係がよくわかりづらい。
   

 まあわかったつもりになってもそれはそれで駄目なのだが。

  
  
 
   時系列。
   
 1950年代 グリーザー黄金期。
 1960年代 ブラック・パワー、ブラウン・プライド、ホワイト・フライトの三大潮流。
 1970年代 黒人は政治への食い込みに失敗し、白人は人種連合に失敗し、そして二大ネーションが結成さ れる。
 1980年代 気づけば麻薬以外の道が無くなっていき、二大ネーションが怪しくなり始める。
 1990年代 ラティーノ・フォーク大内戦、同時にピープルも内戦に入り、白人勢力は壊滅する。
 2000年代 これ以降は主軸がなくよくわからない。

 グリーザーについては世界が違いすぎるため割愛した。
 しかしstonegreasers.comは、ロカビリー等を負の側面まで愛する者には必見であろう。
  
   
 そして外面的な要素としては、

地理面ではシカゴ南部と北部
政治面では有色人種の解放とブラック・パワーの栄枯盛衰
人種面では白人・黒人・ヒスパニック間の葛藤。
宗教面ではプロテスタント・カトリック・(アメリカン)イスラーム
犯罪面では全米規模の麻薬戦争
居住面では刑務所とストリート、都市部再開発
文化面ではいわゆる「ミーイズム」
経済面ではゲットーの貧困と中西部の長期的没落

 あたりに目を配っておけば、そこまで的外れなことは言わずに済むかもしれない。
 (ほかに何かあっただろうか)
 ちなみにラテン系だけフォークとピープルを別記したのは、1992年のフォーク内戦を重視したためでありこの抗争だけでラテン系ギャングのかなりの数を列記できるのだ。
   
      
 さらに、よく語られている個々の切り口としては、

     白人(ギャング)の盛衰史
     エル・ルーキンスとカダフィの関係。
     一部ブラック・パワー運動のギャング化。
     ラテン・キングス、BGD等の巨大ギャング中心史観。

 あたりだろうか。
 これらについては深入りすると長くなるので、ほとんど書かなかった。

 最後に「インセイン・シカゴ・ウェイ-スパニッシュ・マフィア構想は以下に失敗したか」を紹介すると、ジョン・M・ハゲドーン氏によるSGDの内幕を描いた2015年のノン・フィクションである。SGDに関わった匿名のアウトフィット・メンバーの証言によってその姿を描くものとなっている。
   
  
  
 そのうちもう少し理解が深まったら加筆したい。
  
  
   
   シカゴ独特の用語説明
   
 ・フォーク/ピープル  
  刑務所発祥の同盟関係。
 ・ギャング・カード   
 いわゆる名刺。中央にギャング名、両脇にメンバーの名前を書くことが多い。VICEマガジンによると、コレクター本も出ているようだ。
 ・セーター       
 カーディガンのこと。体育会文化からの借用で、ギャング・エンブレムを縫い付けたりする。戦争用とパーティー用があり、かつてはこれを敵ギャングから奪い取って侮辱とする風習があった。
 ・シンボル(キャラ)  
 コブラ、プレイボーイ・バニー、紳士などのギャングを象徴する「キャラ」。ギャング名と同一のものが多いが、IGzなどはピンク・パンサーを使っていたりする。NYでも80年代まではあっただろうが消滅し、シカゴ独特の文化になっている。上記の二つとは違い、現在でも多用されている。
・フィンボール     
 ピープル・ネーションのギャング構成員。
  
 
 
・各ギャングのメンバー数について 
上記記事内で各ギャングのメンバー数を書いたが、2010年代のものとしては正確ではないだろう。  

thehoodup.comの「Top 10 Biggest Gangs in Chicago (Pie Chart)」
http://thehoodup.com/board/viewtopic.php?f=24&t=116983
を参考に、各ギャングの推定メンバー数を書いておく。

・黒人系

ヴァイス・ローズ(13850)
ギャングスター・ディサイプルズ(10000)
ブラック・P・ストーンズ(7700)
フォー・コーナー・ハスラーズ(6500)
ブラック・ディサイプルズ(4200)
ニュー・ブリーズ(1740)
ミッキー・コブラズ(1300) 
ブラック・ソウルズ(1100)

・ラテン系

ラテン・キングス(9900)
マニアック・ラテン・ディサイプルズ(2750)
サタン・ディサイプルズ(2700) 
トゥー・シックス(2370)            
インセイン・スパニッシュ・コブラズ(1570)         
オールマイティー・インペリアル・ギャングスターズ(1100)
        

  
  
・参考資料
   
   主な情報源は
  
 chicagogangs.org、chicagoganghistory.com、stonegreasers.comその他サイト。
 Lords of Lawndale等の回想録。もちろんInsane Chicago way。
 英語版wikipedia。
 「Gangs and their tattoos」等の概説本。
 ヒストリーチャンネルの「ギャングランド」シリーズ、Gangsters: America’s Most Evil、
 その他ドキュメンタリー、ニュース映像。
 一応シカゴ関連のものを書き出しておく。日本語版の存在は未確認。
 

  ”Kings of New York” Almighty Latin King and Queen Nation (People Nation) of New York City, NY
  ”Stone to the Bone” Almighty Black P. Stone Nation (People Nation) of Chicago, IL
  ”Gangster City” Gangster Disciples (Folk Nation) of Chicago, IL
  ”Maniacal” Maniac Latin Disciples(Folk Nation) of Chicago, IL
  ”Lords of the Holy City” Almighty Vice Lord Nation (People Nation) of Chicago, IL
  ”Gangster, Inc.” Gangster Disciples (Folk Nation) of the Midwest
  ”The Devil’s Playground” Satan’s Disciples (Folk Nation) of Chicago, IL
  ”Divide and Conquer” Almighty Latin King and Queen Nation (People Nation) of Chicago, IL
  ”Hustle or Die” Four Corner Hustlers (People Nation) of Chicago, IL
  ”Road Warriors” Traveling Vice Lords (People Nation)

 とはいえ、大半の情報は chicagoganghistoryに負うところが多い。
 その膨大な情報量に圧倒されてしまうが、ぜひともおすすめ。ここを読めば本文はいらない。
 chicagogangsを見ていたころは難しかったのだが、 このサイトによって、シカゴの複雑なギャング世界を少しは理解できたように思う。
  管理人さんには最大の敬意を表したい。

 Thanks to all gang experts who informed us what was happened in the city of Chicago.

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